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『メロン』を食べると喉がイガイガする理由

豆知識
この記事は約4分で読めます。

昔から高級フルーツとして日本人に親しまれているフルーツ界の王様『メロン』。

味もとても美味しいのですが、食べるとなんとなく喉がイガイガする気がしませんか?

※イガイガという表現が正しいかわからないですが、イガイガとしか表現できない不思議な感じですよね。チクチクやピリピリと表現される方もいるそうです。

今回はそのイガイガ感がなぜ起こるのかを書いていきます。

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イガイガの原因

まずはイガイガしてしまう部位についてですが、喉だけではなく唇や口腔内にもイガイガ感を感じる人も多いそうです。

しかし、食べる際に果肉に触れた手などはイガイガしたり痒くなったりしませんよね。つまり、イガイガするのは粘膜部位に限られています。では、なぜ粘膜部位がイガイガしてしまうのでしょうか。

実はその原因は、メロンに含まれているタンパク質分解酵素 『ククミシン』にあります。

このククミシンが、唇や口腔、喉の表皮を分解してしまうためにイガイガとした刺激が生まれてしまうのです。

手などの分厚い表皮では何も感じませんが、粘膜部位の薄い表皮だと分解されている刺激がダイレクトに感じられてしまいイガイガを感じてしまいます。

タンパク質分解酵素は料理に役に立つ

ククミシンのようなタンパク質分解酵素は、イガイガするデメリットしかないように見えますが、その分解力が料理に使われることもあるのです。

例えば、メロンだけではなくパイナップルも食べるとイガイガ感がありますよね。あれはパイナップルにもタンパク質分解酵素『プロメライン』が含まれているからです。

そんなパイナップルがステーキ肉の漬け込み汁に使われたり、一緒に焼かれたりしているところを見たことがあるのではないでしょうか?これは、パイナップルに含まれるタンパク質分解酵素のプロメラインを上手く利用して、お肉を柔らかくしているのです。

※さらに、タンパク質分解酵素は熱に弱いため、熱を通した後のパイナップルは食べてもイガイガすることがないのです。

イガイガの治し方

ククミシンなどのタンパク質分解酵素によるイガイガ感は、何もしなくても15分程度で治まると言われています。たしかに、少しだけ我慢すればいつの間にか治っているイメージですよね。

これは、人間の唾液から常に分泌されているタンパク質がすぐに口内をカバーして治してくれるからです。

すぐに治したい場合

どうしても15分よりも早く治したい場合は、口をゆすいでからホットミルクを飲むと非常に効果的です。

まず、口をゆすぐことで口内のタンパク質分解酵素があらかた洗い流されます。次に、ホットミルクの高温はタンパク質分解酵素を変性させて働きを失わせます。それでもまだ残ったタンパク質分解酵素は、牛乳に含まれるタンパク質と優先的に結びついてくれるので、すぐにイガイガ感が無くなってくれるのです。

そもそもイガイガするのを避けるには

じゃあ、「美味しい生のメロンやパイナップルを食べる時にはイガイガを我慢して食べるしかないのか」と言われると、そうではないのです。事前にできるイガイガへの対策法はあります。

それは、よく熟れたものを選んで食べることです。

タンパク質分解酵素は、果実が未熟なうちは非常に多く含まれていて、熟してくるほど減少していきます。

特にメロンは収穫後も置いておくことで追熟していくので、未熟な状態で買ってしまった果実でも完熟まで待ってから食べることで、イガイガを避けて美味しく食べることができます。

※パイナップルは収穫後に追熟しないため、収穫時点でよく熟れているものを選ぶ必要があります。

アレルギー症候群の可能性も

上記のとおり、大抵の人はタンパク質分解酵素のせいで喉がイガイガしてしまうのですが、イガイガ感が異常に強かったり長く続いてしまう場合はアレルギー反応を疑った方がいいかもしれません。

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)』の可能性があります。

花粉と交差反応性のある果物、野菜、大豆製品などを摂取することによりアレルギー反応が起こり、強いイガイガ感を感じてしまう症状です。花粉症を発症している人に多くみられます

※メロン、バナナやパイナップル、キウイフルーツなどの果物は、アレルギーを起こす仕組みがスギ花粉に酷似していると言われています。

酷い場合は、蕁麻疹などの皮膚症状や気管支喘息の症状が出てきますが、最悪の場合『アナフィラキシーショック』を起こして死に至る可能性もあるそうなので注意しましょう。

一応、口腔アレルギー症候群の方は『抗ヒスタミン剤』を服用することでアレルギー症状を抑えることもできます。

後書き

とういうわけで、イガイガの原因はタンパク質分解酵素であるククミシンが原因でした。

ただ原因が本当にククミシンだったらいいのですが、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)だった場合は、命にも関わる問題となってしまいます。

近年の花粉増加に伴って花粉アレルギーを発症してしまう方も非常に増えていると聞きます。今後も美味しいメロンを安心して楽しむために、自分の症状が少しでも怪しいと思った方は一度病院で検査を受けましょう。

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