日本中の誰しもが待ち焦がれている、一年の中で一番大きな連休『ゴールデンウィーク』。基本は1週間程度の長さですが、2019年は過去最長で10連休にまでなりました。
そんなゴールデンウィークですが、一体いつから、どのようにして生まれたのでしょうか。これについて詳しく紹介していきたいと思います。
本来は3日間を指すものだった
今でこそ1週間程度の長さで認知されているゴールデンウィークですが、元々は5/3~5/5までの祝日3連休を指す言葉でした。
- 5/3 憲法記念日
- 5/4 みどりの日
- 5/5 こどもの日
そこに振替休日や新しい祝日が増え、ゴールデンウィークの詳しい定義が決められた結果、現在のような長さになりました。
平日を挟んでもゴールデンウィークが継続されるのか
一年のうちの同じ日付であっても、曜日は毎年変わってしまいます。それに伴って、ゴールデンウィーク期間に入ってくる平日の日数も土日の休日がどれだけ入ってくるかも変わります。
そこで、祝日休日の中にある平日をどこまで許容してゴールデンウィークとして扱うか、以下のように詳しい定義が設けられました。
ゴールデンウィークの直前直後の平日が通常の一週間内の平日日数(5日間)の半分未満、つまり2日以内の場合はその平日を挟んだとしても、その後に続く祝日休日をゴールデンウィークとして扱います。
簡潔に言うと、3日間以上の平日が入った場合にゴールデンウィーク期間は終了となってしまうのです。
休日と祝日が重なった場合
2005年に祝日法の改正が行われたことにより、振り替え休日の規定が変更されました。
どのような規定かというと、祝日が日曜日と重なった場合は「こどもの日」の翌日が振替休日となるという内容です。
今までは祝日が休日と重なってしまわないかで一喜一憂していましたが、この規定によってゴールデンウィーク期間の平均化が実現し、毎年の連休日数が安定しました。
『ゴールデンウィーク』という名称の由来
そもそも『ゴールデンウィーク』は元々、ただの連休だったはずですが、この名称はいつから付けられたのでしょうか。
1951年に獅子文六原作の『自由学校』という作品が映画化し、現在でいうゴールデンウィークの時期に上映されました。これが大ヒットを記録し、正月やお盆の時期をも凌ぐ興行成績をたたき出したことで、以後この時期を「ゴールデンウィーク」と呼ぶことにしました。
これは、このような名称を付けることで映画界の活性化に繋がると考えた「大映」常務取締役である「松山英夫」によるものです。
後に、他の業界や一般人にも広く使われるようになり、日本中に浸透しました。
※後ほど「大映」は秋ごろの文化の日を中心とした連休期間にも『シルバーウィーク』という名称を付けましたが、当時は定着しませんでした。
ゴールデンウィーク最長を記録した2019年
2019年は新天皇の即位も重なり、10連休という超大型連休となりました。これはゴールデンウィーク史上最長となります。
ゴールデンウィークをなるべく長期連休にしようという国の方針などが重なって実現しました。
ゴールデンウィーク中の郵便業務
ゴールデンウィークの長期休暇中、一切の郵便業務が行われないと日本中で困る方達も出てきてしまいます。
そこで、日本郵便はゴールデンウィークの後半に一日だけ、休日にも関わらず配達をする日を設けていましたが、2016年以降はこの日がなくなってしまいました。
しかし、2019年の10連休はあまりにも長すぎたため、顧客利便性や郵便物の保管場所不足を考慮して5/2に全ての郵便物を配達する日を設けました。
海外のゴールデンウィーク
実は日本以外にもゴールデンウィークが存在する国があります。それは中国です。
そっくりそのままゴールデンウィークではないのですが『黄金周』と呼ばれる、よく似た大型連休です。
日本のゴールデンウィークと同じで、中国政府が経済効果を狙って1999年から導入し始めた制度です。
一週間の連休が年に2回設定されていて、下記の2つがそれにあたります。
- 春節(旧正月)
- 国慶節(10/1)
いずれも3日間の法定休日、振替休日、土日を連続させることで7連休を実現させています。
この期間は様々な大セールが行われたりするのですが、物流が完全に止まったりと日本と同じように困ることが多いようです。
2007年までは「労働節(5/1)」からの一週間も黄金周だったのですが、中国政府の方針で3連休に短縮されたために黄金周から外れました。
後書き
以上が、ゴールデンウィークの歴史や成り立ちについてとなります。
この年まで毎年ゴールデンウィークを体験してきましたが、その成り立ちやどこまでをゴールデンウィークとして扱うか、などは考えたことがありませんでした。
ゴールデンウィークも少しずつ変わっていっているので、これからどのような変化があるかが楽しみですね。
しかし、短くはなってほしくないものです…。