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海釣りで『コスパのいい釣り方』はどれか考える

釣り
この記事は約13分で読めます。

趣味で釣りを初めてから、いつの間にか3年以上の月日が経ちました。

当時、釣りに対して全く興味がなかった私に、会社の先輩が釣りを勧めてくれて、「そんなに楽しいのなら始めてみようかな」と思えた私は、とりあえず手始めにAmazonで様々な釣具を調べました。しかし、釣りの世界は専門用語ばかりで何が何だかチンプンカンプン状態。とりあえず、「釣具って意外とお金かかるんだなぁ」と思ったことだけは覚えています。

その中でも、安価なプロマリンのバスロッドとナイロンライン付属のルアーを買って、必死に海に通いました。しばらくの間は中々釣れなかったのですが、ようやく大きなカサゴ(ガシラ)を釣り上げた時は嬉しくて感動したのを覚えています。

それからというのもの、仕事帰りに当たり前のように海に通っては釣り糸を垂らしていたのですが、数か月後に会社が倒産…。時間をかけて自分で何かを立ち上げようと考えに至った私は、趣味にお金を使えないドケチ状態に陥ってしまいました。

「釣りはお金がかかるからもうできないな…」

しかし、釣りの楽しさと美味しさを知ってしまった私は、釣りをしたい心を抑えきれませんでした。それ以来、ドケチ状態でも釣りが楽しめるように、ずっとコスパと楽しさを両立した釣り方を考えてきたので、「あ、この釣り方はコスパいいな」と思ったものやその理由をこのサイト内で紹介していきたいと思います。

今回の記事は、釣り初心者で「これから本格的な釣りに移行したいけど、それぞれの釣り方のコスパが気になる」という方や「頻繁に釣りに行きたいけど、できるだけ出費は抑えたい」と考えている方にお勧めです。是非参考にして下さい。

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代表的な4種類の釣り方

今回考えていく釣りの種類は下記の通りとなります。

  1. ウキ釣り
  2. サビキ釣り
  3. ルアー釣り
  4. 投げ釣り

釣りを始めたての頃は「色々な釣り方があるんだなぁ」と様々な名前のついた仕掛けをネットを眺めていたのですが、結局は大別すると、釣りはこの4種類に分かれているように思えました。なので、今回はこの4種類の釣り方について一つずつ考えていきます。

1. ウキ釣り

出典: https://leisurego.jp/

ウキと仕掛けを潮の流れに乗せる釣り方です。タナを浅めに設定すれば根がかりを避けることができるので釣り初心者からも人気ですが、魚がいるタナと潮の流れが読めるようになることが重要な釣り方でもあるので、経験豊富なベテランの方達からも根強い人気があります。魚がヒットしてウキが海中に消し込む瞬間は堪りません。

釣りと言ったら、このウキ釣りを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

ウキ釣りに必要なもの

  • 釣り竿(磯竿)
  • リール(2000~3000番の小型)
  • ナイロンライン(1~2号)
  • リーダー(ハリス)
  • ウキ
  • ウキ止め
  • シモリ玉
  • ガン玉
  • サルカン
  • 釣り針
  • コマセ(アミエビ)
  • コマセ用バケツ&投げ杓

ウキ釣りのコスパ面でのメリット

まず、初心者が最初に勧められる竿は磯竿かルアーロッドであることが多いので、すでに磯竿を持っているという場合は竿を新しく購入する必要がありません。

ウキ釣りは根がかりをして仕掛けを諦めなければいけなくなった場合でも、失うのはリーダー(ハリス)から下の部分(リーダー、釣り針、ガン玉)のみです。障害物などの近くまでウキを流して釣るなど、余程無茶な釣り方をしなければ一番大事なウキを失うことはないでしょう。なので、根がかりでの損失が少額で済みます。また、そもそもウキ止めの位置を調整することで仕掛けを底まで落とさずに釣りができるので、根がかりで仕掛けを失う事が少ないです。

ウキ釣りのコスパ面でのデメリット

ウキ釣りでは当然、ウキが必要になります。日中の釣りだけであれば安い普通のウキだけでいいのですが、夜釣りもしたい場合は電気ウキが必要で1,000円ほどの値段になります。(電気ウキは電池代もかかります。)

出典: https://tsurihack.com/

道糸についてですが、ウキと道糸が擦れてしまう問題を考えると、擦れに弱いPEラインではなくナイロンラインを選択する必要があります。一見、ナイロンラインはPEラインに比べて安いのでコスパがいいように見えますが、実は海水や紫外線による劣化が激しく、5回ほど釣行で使用するだけでザラザラになり強度や糸滑りが最悪な状態になってしまいます。新品のラインに交換しないと大きな魚がかかったときに道糸切れを起こしたり、ウキの中をスムーズに糸が通れなくなるので、頻繁なライン交換が必要になります。また、ナイロンラインは釣行の度に30㎝ほどカットすることも推奨されていますので、これではいくらPEラインより安くてもコスパはよくないのかなと思います。

そして、ウキ釣りは他の釣りに比べてリーダーを長めに使用することが多いです。それゆえにリーダーの消費が激しくなりがちです。

一番の問題は刺し餌とコマセ(撒き餌)の両役を担うオキアミやアミエビです。 釣行前に釣具店で200~500円の冷凍ブロックを買っていくことになります。釣行毎にこの金額がかかるのはコスパがいいとは言えないですよね。これに加えて、冷凍ブロックを溶かす用のバケツと撒き杓も必要になってしまう点も少しネックです。

※一応、オキアミやアミエビの冷凍ブロックは米ぬかなどを混ぜてかさ増しすることができます。

出典: https://tsurihack.com/

ウキフカセ釣りでもう少しシンプルな仕掛けに

ウキフカセ釣り』は普通のウキ釣りとは違い、ウキ止めを付けずに潮の流れに任せて海中にどこまでも仕掛けを流し込んでいく釣り方です。そのため、まずウキフカセ釣りにはウキ止めが必要ありません。また、仕掛けを海中に馴染ませるのに時間がかかってもいい場合はガン玉を付ける必要もなくなります

しかし、やはりデメリットもあります。どこまでも仕掛けを流し込んでいくため、海底で根がかりをしてしまうことが多々あります。これを解決するには、着底したらすぐに仕掛けを引き上げればいいのですが、ウキフカセ釣りでの着底判断は非常に難しいです。魚も底に集まっている事が多く、喰わせるチャンスを逃すことになってしまうのであまりお勧めはできません。

※ちなみに、私の経験ではガン玉を外せばほとんど根がかりしませんでした。

サビキ釣り

出典: https://tsurihack.com/

サビキ釣りはカゴにアミエビを詰めてから真下に落とし、拡散したアミエビにサビキ針を紛れ込ませて魚に咥えさせる釣りです。

細かいテクニックが要らず、小型青物の回遊さえあれば非常によく釣れます。お子さんなどにとりあえず魚を釣らせてあげたいという場合によく選択されますね。

サビキ釣りに必要なもの

  • 釣り竿(サビキ竿)
  • リール(なんでも)
  • ナイロンライン(1~3号)
  • サルカン
  • サビキ仕掛け
  • サビキカゴ
  • コマセ(アミエビ)

サビキ釣りのコスパ面でのメリット

防波堤などから真下に落とすサビキ釣りは、着底をさせずに楽しむ釣りです。したがって、根がかりをしないので仕掛けのロストがありません

また、サビキ針はアミエビに見えるような作りになっている為、刺し餌が必要ない点はほんの少しのメリットです。

サビキ釣りのコスパ面でのデメリット

サビキの針自体に付け餌をする必要はないのですが、魚を寄せるためにカゴにアミエビを詰める必要があります。アミエビが全部拡散したら仕掛けを回収して再度詰めなおさなければいけないので、ウキ釣りの撒き餌と同様でアミエビの消費量が少々手痛いです 。

また、その他の釣りはリーダーと一本針を結んで安く自作できるのに対し、サビキ釣りの仕掛けは自作が難しく、市販の完成品を購入する必要があります。せっかくの仕掛けをロストしないというメリットもここで相殺されてしまうような気がします。それに、いくらロストしないとは言っても、何回も釣行を重ねると仕掛けは劣化してくるため、交換せざるをえません

ジグサビキならコマセ要らず

私は初めてサビキ釣りの仕掛けを聞いた時、「カゴに詰めるコマセが必要なのであれば、ちょっと自分には合わなさそうだなぁ…」と思いました。

しかし、私のようにコマセにお金をかけたくない人間には『ジグサビキ』という手があるのです。

ジグサビキは、カゴの代わりにルアー釣りで使うメタルジグというものを付けます。その仕掛けを遠くまで投げて引いてくる釣りです。もちろんカゴを付けないのでアミエビが必要ありません

出典: https://uzakituka.com/

初めて聞いた時は「なんでこんなもので釣れるんだろう?」と思いましたが、メタルジグは小魚を模して作られているため、投げて引いていれば小魚(メタルジグ)がオキアミやアミエビ(サビキ針)を追いかけて捕食しようとしている場面を演出することができます。これを見た魚達は、サビキ針を本物のアミエビだと勘違いして喰いついてしまうのです。

ニオイも付いている本物の餌を使用する通常のカゴでの釣りとは違い、少し釣果は落ちるかもしれませんが、その分遠投で遠くまで魚を探れるというメリットもあるので、コマセ代がもったいないと感じる方にはお勧めです。

また、メタルジグは元々ルアーなので針が付いているのですが、これをそのままでジグサビキをすると大きな魚がジグメタルに喰いついた時に釣れるというメリットがあります。しかしその反面、その針が根がかりの原因になり、デメリットとなってしまうことも多いです。

ルアー釣り

出典: https://tsurigura.jp/

ルアー釣りは生餌を使わずに、小魚やカニ、ゴカイなどの多毛類を模して作られたルアーを動かして魚に喰わせる釣りです。

※ルアーには柔らかい素材でできたものから金属製のものまで様々なタイプがあります。

まるで生きているかのようにルアーを動かすにはテクニックが必要で、釣り糸を垂らして待つ釣りとは違ってルアーを動かして誘いをかけないと全く釣れません。しかし、その分ゲーム性が高く、楽しいという点が魅力の釣りです。ファンも多く、非常に人気の釣りとなっています。

ルアー釣りに必要なもの

  • 釣り竿(ルアーロッド)
  • リール(2000~3000番)
  • PEライン(0.8~1.5号)
  • リーダー
  • スナップ付きサルカン
  • ルアー(メタルジグ、ミノー、スプーン、エギ、ワーム&ジグヘッド)

ルアー釣りのコスパ面でのメリット

ルアー釣りは根がかりをしない限り、ずっと同じルアーを使い続けられます。トレブルフックなどの大きな針が付いたルアーが多く、始めたての頃は根がかりが多いですが、経験を積んで着底が感じ取れるようになったら、着底後すぐに巻き始めることで大体の根がかりは回避できるようになります。

また、 ルアーは生餌と違って腐ることもないし、釣れた魚に飲み込まれて失うこともありません

仕掛けがシンプルなので細かいものにお金を使わなくていい点もメリットだと思います。強いて挙げるならスナップ付きサルカンくらいのものですもんね。

ルアーロッドは、他のタイプの釣り竿に比べて短いので安いものが多いのも嬉しいですね。

そして、道糸であるPEラインは障害物などによる擦れには非常に弱いですが、長期使用による劣化がほとんどありません。価格自体はナイロンラインよりも高いのですが、それ以上に長持ちするので、結果的にPEラインの方が安く済みます

※この擦れに弱い特徴から、PEラインはサルカンに結んでリーダーと結ぶことができませんが、その代わりにPEラインとリーダーを様々な結び方で直結させます。このおかげでサルカンが必要なくなっているのも嬉しい点です。

※ 道糸であるPEラインは引っ張る力を加えた際に、全く伸びない性質を持っています。この性質をうまく使う事によって数十メートル先からでもロッドを動かすことでルアーを思い通りに動かせるのです。反対に、ナイロンラインはかなり伸びることが特徴なので、ズル引きやただ巻きを除いて、ルアー釣りに使用することはできません。

ルアー釣りのコスパ面でのデメリット

始めたての頃は底をズル引きするような釣り方をしてしまい、根がかりでルアーを失ってしまうことが多いと思います。やはり魚は底の方にいることが多いですから、どうしても底を攻めたくなってしまうんですよね。ルアーは有名メーカーのものを使うと一つで1000円ほどするものも多いので、失うとかなり懐が痛いです。

※釣れればメーカー品でなくてもいいという人はダイソーをお勧めします。メタルジグからエギ、ジグヘッドからワームまで様々なルアーが100円で揃っています。

オフセットフックを使えば根がかりも怖くない

普通にルアー釣りをすると、針が剥き出しなので根がかりが怖くてどうしても底を攻め辛いです。

それを解決してくれるのが『オフセットフック』という釣り針です。ワームをセットすると針先が隠れるような作りになっていて、根がかりの心配が全く無くなります

※通常、ワームを使用する際はワームの重さだけでは狙いたいポイントまで飛ばすことができないため、針に小さな重りが付いた『ジグヘッドフック』を使用します。これをオフセットフックに替える場合、ジグヘッド分の重さを補うガン玉やオモリを用意する必要があるという点には注意が必要です。

出典: http://kirakirakoubou-shop.com/

他の釣り方では、針先を隠して底を攻めるなんてことはできないので、このオフセットフックはルアー釣りだけの特権と言えるでしょう。

投げ釣り

出典: http://kirakirakoubou-shop.com/

「初めての釣りはちょい投げ釣りだった」という方も多いのではないでしょうか。投げ釣りはちょい投げ釣りのスケールを大きくして遠投に特化させたものになります。大きな竿を、鋭くビュッと振り抜く姿に憧れて、投げ釣りを始める方も多いです。

投げ釣りに必要なもの

  • 釣り竿(投げ竿)
  • リール(4000~5000番)
  • PEライン(1~3号)
  • 力糸
  • 天秤
  • リーダー
  • 釣り針
  • 生き餌

投げ釣りのコスパ面でのメリット

投げ釣りは仕掛けをできるだけ遠くへ飛ばすため、細くても十分な強度が確保できるPEラインを使用します。そのため、ナイロンラインを用いる釣り方に比べてラインが長持ちします。またPEラインの使用と仕掛けのシンプルさから、サルカンのように細々としたものが必要ないのもメリットだと思います。

仕掛けが根がかりしてしまった時も、失うのは天秤から下の安価な部分(リーダー、釣り針)ばかりなので、そこも嬉しい点ですね。

投げ釣りのコスパ面でのデメリット

投げ釣りは非常に重い天秤をキャストしますが、そのキャスト時にはラインに大きな負荷がかかります。この負荷を道糸のPEラインだけで受け止めようとするとプッツンと切れてしまい、天秤は遙か彼方へ飛んで行ってしまいます。これを防ぐために道糸と天秤に間に結ぶのが『力糸』です。天秤の先に結ぶリーダーに加えて、この力糸を新しく購入しなければいけないので、これは少しデメリットかもしれませんね。

また、投げ釣り用の竿はとても長く頑丈にできていて、リールも遠投に対応できるように大きくてたくさん糸が巻ける作りとなっています。それゆえに、他の釣りと比べると竿とリール両方の値段が高めとなってしまいます。また、遠投する分だけ長いPEラインが必要になるので、他の釣りでは100mなどで済むところを200mや300m仕様の少し高価なものを購入しなければなりません。

投げ釣りはキャストして仕掛けが着底した後、魚が喰いつくまでひたすら待ち続ける『ぶっこみ』か、ゆっくりとリールを巻いて探っていく『ズル引き』かの二択になります。

ズル引きの場合では少しずつ進む動きが出せるため鯖の切り身やイカ短冊などでも構わないのですが、ぶっこみの場合はどうしても自分で動いてアピールをしてくれる生き餌が必要になってしまいます。毎回、新鮮な餌を釣具屋で買うのは少々デメリットかもしれませんね。とはいえ、イソメかゴカイを100円分買えば一日楽しめるくらいの量は入っているので、コマセが必要な釣りに比べるとまだリーズナブルに楽しめるのかなと思います。

※ズル引きでも大きな誘いがかけられるわけではないので、釣果を求めるのであれば、できるだけ生き餌を使うことをお勧めします。

出典: https://turiinfo.com/

一番コスパがいい釣り方は?

以上の内容から考えた結果、4種類の中で一番コスパよく楽しめる釣りは『ルアー釣り』だという結論に達しました。

元々、ルアー釣りから釣りを始めた私にとっては大好きな釣り方なのですが、今回記事を書くにあたってコスパ面だけを見つめてみても、「ルアー釣りが一番かな」と思えました。

後書き

今回は4種類の釣りの中でも代表的でオードソックスな仕掛けだけにフォーカスを絞って考えてみましたが、他にも自分なりに色々とアレンジを加えたコスパ釣法が色々とあるので、今後はそれらも紹介していきたいと思っています。

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