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『ほうれん草』を下茹でする理由

料理
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バターで炒めたりおひたしにしたりと色々使い方があって美味しい『ほうれん草』。

美味しくて栄養満点なのはいいのですが、料理に使う際には下茹でをしなければいけないのが面倒ですよね。

そもそも下茹でをしなければいけないのはなぜでしょうか。

今回はその理由について詳しく書いていきたいと思います。

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『ほうれん草』に含まれるシュウ酸の存在

ほうれん草には『シュウ酸』という毒が多く含まれています。

シュウ酸は毒性が強く、植物性自然毒に分類されています。人間がこれを摂取した場合、体内のカルシウムと結びついてしまいカルシウムの吸収を阻害します。

そして、シュウ酸とカルシウムが結びつくと『シュウ酸カルシウム』ができるのですが、これが尿中で発生することで人生の中で最大の痛みを味わう事ができると言われている『尿路結石』となります。

また、これによりカルシウム不足に陥り『骨粗鬆症』まで引き起こしてしまう可能性があります。

シュウ酸を取り除くために下茹でする

人間の体にとって毒であるシュウ酸を多く含むほうれん草ですが、簡単に取り除くことができる方法があります。

それが『下茹でです。

シュウ酸は基本的に水溶性なので、茹でることにより7~8割のシュウ酸を取り除くことができるのです。ほうれん草を茹でるとアクがたくさん出ると思うのですが、それがシュウ酸です。

※エグみの原因となる『硝酸態窒素』も一緒に取り除くことができます。

ただ、茹でこぼしをすることで大体のシュウ酸を取り除くことはできるのですが、それでも他の野菜に比べると圧倒的な量のシュウ酸を含んでいるので、下茹でをしたからといって大量に食べてもいいというわけではありません。

シュウ酸はほうれん草の他にもたけのこ、ツルナや山菜類に多く含まれているので、これらを料理する際にも一度大量の水で茹でてシュウ酸をできるだけ取り除くことが推奨されています。

体に良い栄養素まで流れ出てしまう

下茹でをすると取り除かれてしまうのはシュウ酸だけはありません。ほうれん草に含まれる栄養のうち、ビタミンCや葉酸は水溶性なので、下茹でをしてしまうとこれらの栄養素も一緒に水中へ溶け出してしまいます。

流れ出てしまう栄養素をゼロにはできませんが、下茹でと茹で上げ後の水さらしを出来る限り短時間で済ませることで栄養素の流出を最小限にすることができます。

サラダ用であればそのまま食べて大丈夫

最近ではほうれん草の品種改良が進み、『サラダほうれん草』というものをスーパーで見かけることがあります。

『サラダ』ということはもちろん生で食べることになるわけですが、シュウ酸を大量摂取することになってしまうのではないかと心配になってしまいますよね。

しかし、このサラダ用ほうれん草は品種改良のおかげでシュウ酸をほとんど含んでいないそうなので、安心して生で食べることができます。

牛乳を一緒に摂取するとさらに安全

「下茹でをしても少し残っているシュウ酸が心配」という方にはさらに別の対策方法もあります。これを一緒に行うことでさらに安全にほうれん草を食べることができます。

その方法はとても簡単で、ほうれん草と一緒に『牛乳』を飲むだけです。もしくは牛乳との調理でも構いません。

シュウ酸はカルシウムと非常に結びつきやすいという性質を利用して、シュウ酸が体内のカルシウムと結びつく前に牛乳のカルシウムと結びつけてしまうのです。

こうして結びついたシュウ酸カルシウムは体内には留まらず、そのまま便とともに排出されるので安心して下さい。

これを考えると、ほうれん草と牛乳が一緒に入っているシチューやグラタンは非常に理にかなった料理ですよね。

水を大量に飲むことも大事

体に入ってしまったシュウ酸をなるべく安全に体外へ排出するには水を大量に飲むことが重要です。

シュウ酸を濃い状態で体内に留めておくと、結石ができてしまう確率が大きくなります。これを防ぐためには体内のシュウ酸濃度を薄めるしかないので、大量に水を飲みましょう。

こうすることによって尿中のシュウ酸濃度も下がるので、カルシウムと結びついて結石を生成してしまう危険性が大きく下がります。

後書き

以上が、ほうれん草に含まれるシュウ酸についてとその対策となります。

ほうれん草を使う料理ってほんと牛乳が使われていることが多くてよく考えられていますよね。昔の人もシュウ酸の恐ろしさが分かっていたのでしょうか。

ほうれん草の下茹では面倒ですが、それが無理な場合は一緒に牛乳を飲むだけでもいいです。尿路結石は本当に死ぬくらい痛いらしいので、シュウ酸対策はしっかりと行いましょう。

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